2025年8月22日(金)から24日(日)にかけて、「殿町&鶴岡 多世代共創サマーキャンプ」を慶應義塾大学鶴岡タウンキャンパス(山形県鶴岡市)にて実施しました。本キャンプは、慶應義塾大学未来先導基金2025年度プログラム「殿町&鶴岡&新川崎 タウンキャンパス連携による地域・世代を超えた先導者育成研究プログラム」の一環として実施しました。
本キャンプは各キャンパスでの研究活動に触れることで、研究者としての社会との関わり方を体験し、未来の社会と世界を先導する人材としての能力を育成を目的としています。ワークショップやフィールドワークを通じて、地域の強みと底力を感じ取り、地域、分野、世代を超えた様々な交流を通じて新たな視点や気づきを獲得し、その経験を自身のストーリーとして今後の研究活動や社会活動に活かしていくことを目指しています。
参加者は、KEIO WIZARD "GLOCAL" アドバンスドコースの塾生(小中学生9名)、大学院システムデザイン・マネジメント研究科の神武直彦教授らKEIO WIZARD を担当する教職員・メンターに加え、鶴岡からは、荒川和晴・先端生命科学研究所(IAB)所長、河野暢明・大学院政策・メディア研究科准教授ら教職員の他、SFC大学生・大学院生、IABで研究助手を担う地元の高校生など多くの方に参加いただき、世代・地域を超えた活発な交流がなされました。
KEIO WIZARD:https://www.tonomachi-wb.jp/juniordoctor/
第1日目には、世界最先端のバイオテクノロジー研究が行われている「鶴岡サイエンスパーク」を訪問しました。「慶應義塾大学先端生命科学研究所(IAB)」の取組について、荒川和晴・IAB所長より世界トップレベルの生命科学研究についてお話を伺いました。 また鶴岡で生まれたベンチャー企業、プロテイン素材で持続可能な社会を目指す「Spiber株式会社」、便を原料とした医薬品開発に取り組む「メタジェンセラピューティクス株式会社」、地域の資源を世界のニーズと接続し得られた成果を教育に還元する「株式会社SHONAI」を訪問し、本物の最先端や地方の持つ潜在力に触れることができました。
第2日目には、国指定史跡藩校「致道館」を訪問し、地域の歴史と教えを学び、先人のたゆまぬ努力により培われた知恵や工夫が、鶴岡の教育的風土を形づくるとともに、時代を超えて今日の鶴岡発の産業に繋がっていることを学びました。その後IABに於いて、地球上でもっともしぶとい生物と言われているクマムシを採取し、観察する「クマムシ学フィールドワーク」を行いました。続いて鶴岡タウンキャンパスで学ぶSFC所属の大学院生、大学生、地元の高校生研究員、KEIO WIZARDアドバンスドコース塾生、教職員ら約40名ほどが参加し、「鶴岡×KEIO WIZARD未来創造ワークショップ」を行いました。KEIO WIZARDアドバンスドコース塾生が取組んでいる研究の中間発表を行うと共に、鶴岡で学ぶSFC所属の大学院生、大学生、地元の高校生研究員も自身の研究発表を行いました。そしてグループに分かれて「どうすれば鶴岡×KEIO WIZARDのコラボレーションチームで、世界最先端の共同研究成果を出せるだろうか」をテーマにシックスハット法を交えたディスカッションを行いました。参加者は世代、分野、地域を超えて、互いに教え合い、学び合い、新たな気づきを得、地域の持つ強みや課題を体感し理解を深めました。
第3日目には、東北公益文科大学を訪問し、第2回「KEIO WIZARD×鳥海塾交流ワークショップ」を開催しました。KEIO WIZARDアドバンスドコース塾生、東北公益文科大学ジュニアドクター鳥海塾で学ぶ地元の小中学生、ご父兄、広瀬雄二・公益ジュニアドクターセンター長・教授、両校の教職員ら、約40名が参加しました、交流ワークショップでは、「10年後、どうすれば、Keio Wizard×鳥海塾のコラボレーションチームで、世界一の研究成果を出せるだろうか?」というテーマの下に話し合い、スキットとカスタマージャーニーマップを通して発表しました。鶴岡が育んできた豊かな食文化と美しい自然環境、鶴岡の歴史に触れながら、両校のジュニアドクター達は地域を超えた交流を通じて、多様な価値観に触れ、他者理解と自己理解を深めることができました。