慶應義塾大学殿町タウンキャンパス(以下、「殿町TC」)は2016年4月に川崎市川崎区殿町地区(キングスカイフロント)に開設され、当初同キャンパスの事務室は川崎生命科学・環境研究センター(LiSE)に設置されました。義塾はタウンキャンパス構想(既存のキャンパスからタウンへ出て広く活動を展開する開かれたキャンパスといった意味をもたせようとするもの)の一環として2000年に川崎市幸区に新川崎タウンキャンパスを開設し、また、2001年には山形県鶴岡市に鶴岡タウンキャンパスを開設しています。それぞれ特徴あるキャンパスが誕生し展開されていますが、殿町TCは羽田空港の多摩川をはさんだ対岸に立地しており、2022年3月に完成が予定されている空港側とキングスカイフロントをつなぐ連絡橋(名称:「多摩川スカイブリッジ」)により、国内はもとより世界につながる環境に置かれるキャンパスとなります。
また、本学は国立研究開発法人科学技術振興機構(以下、「JST」)による「世界に誇る地域発研究開発・実証拠点(リサーチコンプレックス)推進プログラム」(https://www.tonomachi-wb.jp/)の中核機関として、この事業を殿町TCを中心に2020年3月まで展開いたしました。
2017年10月にはキングスカイフロントA地区に新築された「Research Gate Building TONOMACHI 2(RGBT2)」の4階と3階の一部に事務室やラボを移転・集約し、効率的かつ効果的なキャンパス運営ができるようになりました。
現在、事務室とセミナールーム以外に医学部医療政策・管理学の宮田裕章教授、医学部整形外科学の中村雅也教授、医学部百寿総合研究センターの新井康通兼担教授(看護医療学部/大学院健康マネジメント研究科教授)、医学部精神・神経科学の岸本泰士郎専任講師/医学部ヒルズ未来予防医療ウェルネス共同研究講座特任教授、殿町先端研究教育連携スクエアの谷川原祐介特区特任教授/医学部名誉教授、薬学部薬科学科の金澤秀子特任教授の研究室があり、それぞれの研究分野で活発な研究活動が行われています。
2018年には、JSTの「次世代人材育成事業ジュニアドクター育成塾(KEIO WIZARD:KEIO Wellbeing Integrated Wizard Training Program)」(https://www.tonomachi-wb.jp/juniordoctor/)、同じくJSTの「研究成果展開事業 産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA)オープンイノベーション機構連携型(https://www.people-tonomachi.com/)」が採択されるとともに、他の外部資金を獲得しながらキャンパス運営を行っています。
今後もライフサイエンスに関連した研究・教育機関として、ウェルビーイング、ライフサイエンス、ヘルスケア、データサイエンス、再生医療、ハプティクス、社会実装といったキーワードの基に、キャンパスの発展を求めていく所存です。
慶應義塾常任理事
慶應義塾大学
殿町先端研究教育連携スクエア長
天谷 雅行