慶應義塾大学殿町タウンキャンパス(以下、「殿町TC」)は、川崎市が世界最高水準の研究開発から新産業を創出するオープンイノベーション拠点として川崎市川崎区殿町地区に整備したキングスカイフロントに、2016年4月に開設されました。義塾はタウンキャンパス構想(既存のキャンパスからタウンへ出て広く活動を展開する開かれたキャンパスといった意味をもたせようとするもの)の一環として2000年に川崎市幸区に新川崎タウンキャンパスを開設し、また、2001年には山形県鶴岡市に鶴岡タウンキャンパスを開設しています。それぞれ特徴あるキャンパスが誕生し展開されていますが、殿町TCは羽田空港から多摩川をはさんだ対岸に立地しており、2022年に開通した空港側とキングスカイフロントをつなぐ連絡橋「多摩川スカイブリッジ」により、国内はもとより世界につながるバイオ拠点としての環境に置かれるキャンパスとなりました。
殿町TCでは、2017年にウェルビーイングリサーチセンターを設置し、医学部、理工学部、薬学部、看護医療学部や、システムデザイン・マネジメント研究科、健康マネジメント研究科などの学部・研究科の垣根を越えて、多様な研究活動が行われてきました。また、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)による「研究成果展開事業 世界に誇る地域発研究開発・実証拠点(リサーチコンプレックス)推進プログラム」(
https://www.tonomachi-wb.jp/)、「次世代人材育成事業 ジュニアドクター育成塾(KEIO WIZARD:KEIO Wellbeing Integrated Wizard Training Program)」(
https://www.tonomachi-wb.jp/juniordoctor/)、「研究成果展開事業 産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA)(
https://www.people-tonomachi.com/)」など多くの事業の実施拠点として、川崎市・神奈川県をはじめとした自治体や、キングスカイフロントに立地する多くの機関・企業と連携しながら素晴らしい成果を挙げてきました。
そして殿町TCは2024年4月より、新たに「再生医療リサーチセンター」を設置し、今後、政府の「バイオ戦略 2020」に掲げられた目標「2030 年に世界最先端のバイオエコノミー社会を実現」の達成に貢献すべく、新たな再生医療を創出する場として、関連企業・機関と連携し、殿町/羽田エリアに東日本における再生・細胞医療の拠点を構築すべく取り組みを進めてまいります。
今後もライフサイエンスと地域連携を軸に、再生医療、ヘルスケア、ウェルビーイング、人材育成、地域連携、社会実装、イノベーションといったキーワードのもと、地域社会と共に先端研究・教育を担うキャンパスとして発展を目指していく所存です。
慶應義塾常任理事
慶應義塾大学
殿町先端研究教育連携スクエア長
天谷 雅行